解析資料

ヘルツは製品を製作する前に構造解析等を行い、お客様に最適な防振システムをご提供します。

防振　ナノテーブルの解析　モーダル解析　静的解析　周波数応答解析

解析を必要とする市場の背景

ナノテクノロジーの時代になり、急速に求められている測定環境における技術は、構造体の変形を予測しかつ対策を講じることができる解析技術です。特に、超微細加工機器や高分解能測定評価機器を搭載設置するハニカムベンチや石定盤や鋳鉄定盤または特別の構造を持つ複合定盤は、家を建てる際の土台に相当します。土台が沈下したり、傾いたりしては家の機能や住み心地に大きく影響します。このように土台に相当する各定盤の特性を知ることによって最適な測定環境の基本を満たすことができます。また、床振動とベンチ等の振動的相関関係において、使用開始後数年を経て、問題を生じた場合も最適な解析手法を使って原因の究明に役立ちます。加工や測定分解能の高度化は、解析技術の裏づけを必要としています。

ヘルツが行う解析の内容

一般ハニカムベンチ・複合ハニカムベンチ・石定盤・鋳鉄定盤の1次から6次までの固有振動数と振動形態（モードシェイプ）を求めます。搭載機器が設置される一般ハニカムベンチ・複合ハニカムベンチ・石定盤・鋳鉄定盤や門型などの基礎的構造体は、外部から伝わる振動によって自由振動を起こします。すべての構造体は、それぞれに固有の動的性質を持っていて、この動特性が構造体の挙動を決定します。この自由振動には、その構造体の動特性に関するすべての情報が含まれています。したがって、構造体の固有の動的性質（モーダルパラメータ）を求める解析手法をモーダル解析といいます。動的性質（モーダルパラメータ）とは、振動形態と固有振動数をさします。モーダル解析を行うには、実際の構造体を実験モデルとして求める方法と有限要素法（※1）による解析手法があります。

（※1）有限要素法
工学問題に対する近似値を得るための数値解析技術。連続体である構造物を一次元の棒、二次元の三角形や四角形、三次元の中実体を多数のメッシュに分割し、分割された小片の集合体として解析する方法です。

モーダル解析の例（1）…一般形状ハニカムベンチ&定盤

解析対象ハニカムベンチ・各定盤寸法　1500×1500×200t

: First mode FREQ=282.909

スチールハニカムベンチ解析結果

コア材質　スチール
上面材　SUS430
下面材　SPHC

: First mode FREQ=285.883

石定盤解析結果

材質　インデアンブラック

: First mode FREQ=57.220

鋳鉄定盤解析結果

リブ厚さ　25t
長手方向　5本
短手方向　5本
天板及び側板厚み　50t
材質FC250(ねずみ鋳鉄)
重量　1522kg

: First mode FREQ=238.345

アルミハニカムベンチ解析

コア材質　アルミニュウム
上面材　SUS430
下面材　SPHC

モーダル解析の例（2）…複合ベンチ

アルミハニカムベンチの軽量性と石定盤の表面精度の良さを複合させた複合ベンチです。

アルミハニカムベンチと石定盤の複合ベンチ解析結果

濃い青色は変形していない様子を表わし、赤色は動きのある状態を示しています。

＜解析モデル＞

: 複合ベンチ寸法
1800×1400×250t

: First mode FREQ=286.885

: Second mode FREQ=293.75

: Third mode FREQ=406.589

※Fourth mode，Fifth mode，Sixth modeは省略しています。

モーダル解析の例（3）… キリ欠キ（コの字）型ハニカムベンチ

キリ欠キ型全非磁性ハニカムベンチの解析結果

ベンチ寸法　3000×1800×330t

: First mode FREQ=110.808

: Second mode FREQ=152.967

: Third mode FREQ=170.548

: Fourth mode FREQ=294.329

: Fifth mode FREQ=326.573

: Sixth mode FREQ=335.044

静的解析の例

一般ハニカムベンチ・複合ハニカムベンチ・石定盤・鋳鉄定盤の負荷荷重に対する各ベンチや定盤の変位量（撓み量）安全率、応力分布を求めます。

アルミハニカムフラットボード
タワミの予測解析
サイズ　750×750×50t
ウェイト中心部に70kg負荷

周波数応答解析の例

一般単一ハニカムベンチ・複合ハニカムベンチ・石定盤・鋳鉄定盤の単位力あたりの変位量（コンプライアンス）を求めます。
床面の振動環境や搭載機器の振動特性を考慮して、最適なコラム付き定盤の設計に役立ちます。

コラム付き石定盤周波数応答解析結果

＜コラム付長方形石定盤の解析＞

＜コラム付正方形石定盤解析＞

周波数応答解析とモードシェイプ表示の実測例

総重量約7tonの鋳鉄定盤の周波数応答解析とモードシェイプ

鋳鉄定盤完成後、実測による周波数応答解析を行い、周波数対変位量を求めます。

ヘルツは、搭載機器の振動特性や床から伝わる振動の大きさや方向性などの情報によって、最適なハニカムベンチや石定盤・鋳鉄定盤を得るために予測を行うモーダル解析を致します。また、振動環境の変化によって問題を生じた場合、原因究明のための床振動の測定やその他の環境の測定や周波数応答解析などを行います。

3D アニメーション　ナノテーブルやテーブル上の構造物の動的な挙動の可視化

一般ハニカムベンチ・複合ハニカムベンチ・石定盤・鋳鉄定盤やコラム付き定盤を実際に測定した振動条件を使用して、これらの構造体の動的な挙動を3Dアニメーションによって可視化することができます。
（1）3Dモデルの作成ができます。
（2）3Dモデルに時間データを入力することにより、対象構造物の時間変化をみることができます。
（3）同様に周波数応答関数（コンプライアンスなど）を入力することにより、対象構造物の特定周波数での動きの変化をみることができます。

下の図は三次元で定盤にコラムを付けた状態をアニメーションで動きを強調して表現しました。