空気ばね式三次元免震/防振台SITシリーズ
写真:SIT-129L
地震による災害の減災を目的に、震度6弱程度以上の地震があった場合、上下動において±80mmの大きな変位に対応する構造でP波の衝撃を緩和します。また、S波の横揺れは、二次元免震機構により、最大400㎜の横揺れに対応し、衝撃を緩和します。
(特許出願中)
概要
地球は地震の活動期に入ったと云われています。2011年3月11日に発生した「東日本大震災」以後、過去において体験したことの無い大きく広範囲の地域で余震が発生し続けています。この余震や東京北部および千葉県北部を震源とする直下型地震の発生が心配されています。さらに東海・東南海・南海の三地域は、伊豆半島沖から四国・九州に至る沿岸の広範囲な地域で、地震頻発地域とも云われています。
地震発生時における高価または製作不能となった貴重な研究・実験機材の損傷を最小限に、減災を目的とした「空気ばね式免震/防振台」を開発いたしました。
当社が開発した「空気ばね式免震/防振台」は減災を目的に、防振台上に設置された機器の保全を保証することはできませんが、損害を最小限にするために、初めに伝わるP波(縦波)と次に早く伝わるS波(横波)に対応します。
通常は「三次元空気ばね式防振台」として使用し、震度4(約25gal以上の加速度)から震度5強(約140gal以上の加速度)程度以上の地震があった場合に機能します。上下動において±80㎜の大きな変位に対応する構造でP波の衝撃(加速度)を緩和します。
また、S波の横揺れは、二次元免震機構により最大300mm程度の横揺れに対応し衝撃を緩和します。
性能
上下方向:空気ばね式三次元高性能防振台
水平方向:低摩擦最適すべりプレート
●免震部:上下方向(衝撃波) 震度7以上の加速度2.0Gを約90%減衰 ※当社実験値
●免震部:水平方向(低周波) 震度7以上の加速度2.0Gを約95%減衰 ※当社実験値
●防振部:上下方向 固有振動数 約1.2Hz/100kg搭載時 ※SIT-129L
●防振部:水平方向 固有振動数 約1.0Hz/100kg搭載時 ※SIT-129L
仕様表
免震部 仕様
上下免震方式 | 防振/免震用精密空気ばね | |
上下動ストローク | ±80㎜ | |
最大予想加速度 | 2.5G(約2500gal) 震度7以上 | |
減衰予想加速度 | 0.25G(約250gal) 約震度5強 | |
水平動免震方式 | 水平板面摩擦力維持方式 | |
水平動免震性能 | 静止摩擦係数 約0.05 (約震度4で起動) | |
最大搭載重量 | 約100kg~約200kg | |
水平動変位量 | 水平円周方向:免震/防振台設置位置中心より約200mm | |
元位置復帰 |
手動 ※1(自動復帰も可、コイルばねによる原点復帰方式) |
|
地震発生時対策① | 上下・水平の大変位は、重心位置による減少方式 | |
地震発生時対策② | 空気ばねの保護は高剛性ストッパーを採用 |
防振部 仕様
形式 | SIT-129L | SIT-189L | SIT-1812L | SIT-2010L | SIT-2012L |
防振方式 | 三次元防振/免震用精密空気ばね | ||||
制振方式 | 垂直方向:高機能エアーダンピング 水平方向:特殊ゴムによる高機能ダンピング | ||||
空気ばね仕様数 | 4 | ||||
固有振動数 | 垂直方向:約1.2Hz 水平方向:約1.0Hz (搭載機器の重さにより変動します。) | ||||
水平維持方式 | メカニカルオートレベルセンサ 3ヶによる | ||||
搭載可能重量(均等) | 100kg | 200kg | 200kg | 200kg | 200kg |
防振時浮上高さ | 8~10mm | ||||
エア供給方式 | エアコンプレッサー、工場エアの空気源による | ||||
常用空気圧 | 0.3~0.7MPa | ||||
ハニカムベンチ | 上面板:着磁性ステンレス鋼板(5t) 下面板:熱間圧延鋼板(4.5t) | ||||
ハニカムベンチコア | 標準:アルミハニカム 特注①:スチールハニカム 特注②:非磁性ステンレスハニカム | ||||
本体重量 | 約270kg | 約400kg | 約470kg | 約490kg | 約510kg |
全体寸法(mm) |
1200W×900D ×850Hmm |
1800W×900D ×850Hmm |
1800W×1200D ×850Hmm |
2000W×1000D ×850Hmm |
2000W×1200D ×850Hmm |
ベンチ寸法(mm) |
1200W×900D ×150Tmm |
1800W×900D ×150Tmm |
1800W×1200D ×150Tmm |
2000W×1000D ×150Tmm |
2000W×1200D ×150Tmm |
※地震発生時に本免震/防振台が直接または間接的に人々に死傷を及ぼした場合の補償は致しかねます。
※免震/防振台上に設置する機器は必ずハニカムベンチのタップを使用して固定してください。
※本免震/防振台は、起こりうる全ての地震から搭載機器を保守する保証は致しかねます。
※地震発生により、本免震/防振台が移動した際に他の機器や壁などに衝突した場合の損害は補償致しかねます。
※本カタログの記載内容は、予告なしに変更することがあります。仕様の詳細は、お客様とお打ち合わせの上決定します。